分かりやすい説明とは
実は昨日書いていた記事は、本日のお題を書いていたのだが、脱線したのでそのまま書いて題名を変えた。
『分かりやすい説明』は誰だってされたいし、学習塾の講師においても誰もがそこに命を賭ける。
塾や学校の先生以外の仕事でも、『分かりやすさ』というのは求められるし、誰だって「わかりやすく伝えてあげたい」という気持ちを持つのは当たり前のことだろう。
『分かりやすい説明』と聞いて、どんなことをイメージするのだろうか。
その前に、『分かりにくい説明』をしている様子を説明することで、イメージしやすくなるので書いてみる。
個別指導学習塾でやっている授業を注意深く眺めるのが仕事となっていた身としては、時折出くわしたものがあった。生徒が一番、困った顔をして聞いている授業である。
それは、言葉だけを尽くして、相手の様子を見ないで、しゃべり倒しているのを必死にやっている講師の授業だ。
まぁ、講師になりたての人は誰だってやってしまう事である。
教科内容を詳しく細かい所まで、知っていても知らなくても1から100まで全部話すことが教えることだと勘違いする人は多い。
例えば、道案内をするとしよう。こんなふうに一気に説明されたら、理解できるだろうか?
<集合場所までの道のり>駐車場入り口から見て左折(右手の○○看板と駐車場出口を結ぶ道です)し、倉庫を横切る形で直進します。もしくは、道路の一方通行の矢印方向へ進み、駐車場出口へと向かいます。駐車場出口付近に、●●と掲げられた事務所が見えるかと思います。その事務所のガラス張りの自動ドア入り口ではなく、事務所正面から見て右の壁沿いに進めば、横に倉庫へと続くスロープ(坂道)があります。そこを通って「××関係者入口」と張り紙があるドアへ入るよう、お願いします。
これを読んで、どんな場所でどのように向かえばいいか、理解できただろうか?初めて行く場所なんか、分かる訳が無い。こういう時は図にしてしまうのが一番だ。
こうやって図を描いて視覚に訴えれば、一発でどんな場所か理解できる。さらに学習指導であれば、傍らにある教科書や参考書を使って、一緒に確認したり、調べたりすれば、聞いている方は理解がしやすい。
聞いている人の立場に立って、理解しやすい説明の準備をすることが重要なわけだ。
言葉を尽くして説明した気になっているのは一番良くない。面白おかしく生徒を魅了するスーパートーク術なんて無いのだ。
また、前回の記事で書いた通り、授業が始まる前に生徒に関心を持って話しかけて、説明する相手のことを理解しておけば、どのような声のかけ方をすれば好意的に受け入れてもらえるか、が分かるので、一方的な説明にはならなくなる。
この事を早く理解して、立ち直って工夫する講師が、生徒に好かれ「分かりやすいので××先生の授業を受けたい」というリクエストを受けて、人気講師になっていくことに繋がるのだ。
と言っても、俺の塾では講師の指名は受付なかった。
なぜなら、在籍している講師は全員、個性ある人気講師だったから。
そうすることが個別指導学習塾の塾長の仕事だからさ。